重度身体障害者の一人暮らしは難しい?

Blog

2歳に難病指定の脊髄性筋萎縮症と診断を受け、9歳から親元を離れ入院生活が始まりました。そこは多くの障害を持った患者さんが暮らす場所で、回復治療・退院という言葉とはほど遠い環境でした。そんな中、大学進学と共に退院し、一人暮らしを始めました。この生活も5年目を迎えます。

退院してよかったと心から思います。病院が苦痛というわけではなく、地域に出ることで見える景色が180度、いや360度広がりました。
しかしながら僕以降、退院された方を耳にしていません。
今回はその原因を考えてみました。

外の世界に興味のある方、何か人生を変えたいと思われてる方は、ぜひこの先もご覧ください。

恵まれた人しか退院できない?

コロナ禍によって僕が暮らしていた病棟は長らく、外出はおろか面会もまともに出来ない日々が続いています。僕の友人もその一人。彼は、美味しいものを食べたり、映画鑑賞、旅行などが趣味といいます。そこで僕は「退院したら?」と声をかけました。最初は乗り気だったものの次第に自信がなくなり、いつしか元の日常に戻ってしまいました。

周りの方はこう言います。
「赤石くんは行動力もあって、全て自分で管理できる。他の人には難しいよ。」「赤石くんみたいに親のサポートが見込めない」「赤石くんより病気が進行しているから無理だよ」「赤石くん」「赤石くん」「赤石くん」・・・

なんだか僕がめちゃくちゃすごいみたいですやん。自己肯定感は高まりますが、虚しい気持ちの方が強いです。

まず家族のサポートについて

確かに両親は退院時に物件選びや経済的支援など、困った時には助けてもらいました。その点、僕は恵まれた環境だったのでしょう。
しかし、最近だと物件はオンライン内見もできますし、郵送だけで契約もできます。実際、僕も新居の契約は全て郵送で済ましました。

またお金についても、障害基礎年金+諸手当が必ず入ってきます。不安であれば貯蓄をしてから退院するのもアリです。その際は毎月支給されるお金+いくら欲しいかを計算すると良いですね。
正直仕事をしなくても生活は可能です。が、それじゃつまらないですよね。であればスキルを貯蓄期間に磨いて、ある程度収入を得られる状態まで待つ方法もあります。

病気について

サポート体制(訪問看護、訪問診療、緊急時の動き、入院体制など)の構築は苦労するかと思います。しかし医療的ケアを必要としながら、一人暮らしをされてる方はいます。SNSを使って調べてみてください。

行動には不安がつきものです。そして否定的な理由はあげればいくらでもあります。

しかし、あなたの人生はそれで良いのでしょうか?
もし、少しでも、チャレンジしてみたいと思うならネガティブなことには耳をかさず、動いてみてください。

日常生活で僕がすること

どうやら僕の行動力と管理能力がすごいみたいなので、1日の中で僕がしなければいけないことを紹介します。

  • ①ご飯を考える→調理の指示
  • ②洗濯物や掃除・ゴミ出しの指示
  • ③支援の変更があれば事業所に連絡

以上です。
ほとんど何もしてません。食事や掃除さえお願いすれば、あとはヘルパーさんにお任せするだけです。僕はパソコンの前に引きこもり、こうして文章を書いています。

特別なことをしてるかと言えば、特にしてません。おそらく誰でもできます。

ショックでした?笑
あくまで僕の場合ですが、生活するのに難しく考える必要はありません。

安全・安心な環境は不可能

病院の医療体制は完璧です。だって病院だもん。
退院すると医療体制が劣るのは当たり前です。そして危険が伴うのも。

とはいえ、僕が命をかけて生活してるかと言われればその意識はありません。
おそらく当たり前の日常に戻っただけだと思います。

リスクを上げればキリがありません。何度も言いますが行動にはリスクはつきものです。
皆さんは、電車に乗ることをリスクと考えたことはありますか?

なるべく安全な環境を目指すのは、とても大切なことです。ですが完璧を目指しすぎないでください。だって病院じゃないんだから。

まとめ

これまで話した通り、僕がすごいから一人暮らしを出来てるのではありません。環境によるところが大きいと思うのです。たまたま高校時代の先生方にチャレンジを後押ししてもらって、外部の情報が触れる環境にありました。それがなければ今の自分はありません。

しかし、環境でこうも違いが出て良いものでしょうか?
同じ地球・日本で暮らしている以上、ある程度は平等に選択肢が与えられるべきだと思うのです。

チャレンジする気持ちがあるのに、環境に押しつぶされる現実が、とても悔しいです。

この記事が、あなたの選択肢を広げるきっかけになれば嬉しいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました