重度身体障害者が大学に進学した方法【合理的配慮】

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2022年3月23日
広島修道大学を卒業しました

4年間のまとめについては今日の朝刊をご覧ください。
https://mainichi.jp/articles/20220401/ddl/k34/100/382000c

ご存知の通り、僕は車椅子で生活し、24時間介助を必要とする重度身体障害者です。大学生活も同様にさまざまなサポートをしていただきました。今回は大学でのサポート内容と、入学前の交渉の仕方について解説していきます。

障害者差別禁止法とは

障害者が大学に行く。これは決して当たり前のことではありませんでした。
「うちではそういったサポートはしてませんので、入学はご遠慮ください」と実際に言われた方もいました。

それを可能にしたのは平成28年に施行された障害者差別禁止法です。障害を理由に不当な差別を解消するといった法律で、中でも合理的配慮を強く求めています。

合理的配慮

    <行政機関等における障害を理由とする差別の禁止>

    行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。

    内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」より抜粋

あくまで僕の認識ですが、あるバリアが発生した際、障害当事者と発生原因となった個人・団体が話し合い、お互い無理をしない程度の妥協点を見つけることだと捉えています。

これにならい、高校生の僕も大学側と交渉していきます。

大学と介助・配慮事項について交渉

まずは大学を知ることから始めました。キャンパス内のバリアフリーや教室移動の動線、雨の日の動きなどなど。
その後オープンキャンパスなどで相談していきます。どんな病気で入学にどんな支障があるか事細かく話しました。大学側も親身に相談に乗ってくださり、とても勇気づけられたのを覚えています。

そして何度か相談した後、入学に向けて本格的に、要望書を大学に提出しました。要望事項に関しては次の通り

  • ・鞄から講義に使用するテキストや筆記用具等を出してもらいたい
  • ・講義のテキストや資料をめくってもらいたい
  • ・パソコンがあれば自分で書き込むことができるので、講義中にパソコンを使用させてもらいたい
  • ・電動車椅子で移動しますが、エレベーターの操作やドアの開閉をお願いしたい
  • ・昼休憩の食事介助をお願いしたい
  • などなど

そして返答は次のように。食事とトイレが保障されたのはかなり大きかったです。

  • 講義中・教室移動の支援は人員がおらず難しい
  • パソコンの使用は可能
  • 食事とトイレ介助は対応可

そこから対処方法を考え、結果このようになりました。

  • 受講準備や教室のドアの開閉は周囲の学生に助けを求める
  • テキストは事前に写真を撮り、PC内で閲覧できるようにする

中でも受講準備や教室移動が不安でした。初対面の学生に支援をお願いする必要があります。人見知りなため、入学当初は毎日が必死でした。しかし今考えると、とても大切な経験だったと感じます。今では1人で電車に乗るなど、見ず知らずの人にお願いできるようになりました。

このように何度も話し合い、決して相手任せではなく、努力できるところは請け負う形で4年間過ごさせて頂きました。本当に感謝しかありません。

まとめ・お知らせ

経営学を学んでいた僕がWebデザイナーを選択したことから「大学行ってよかった?」と聞かれることがあります。答えはもちろん、よかったです。
同年代の友人と出会い、社会を知ることができ、何より自分に自信がつきました。4年前の僕はこんな未来想像してませんでした。この経験を活かし、より想像できない未来を目指していきます。

最後にお知らせです

2022年4月23日に講演会を開催します。
4年間を振り返り、どんな経験があり、どう変化したのか、そして今後のことについても少しお話ししようかと思います。
ぜひご参加ください!

【目標だった大学生活を本気で振り返ってみた〜自分に向き合い決断した4年間〜】
・日時 2022年4月23日 10:00〜12:00
・会場 YouTube Live(アーカイブあり)
・チケット 1000円
チケットは下記リンクからご購入をお願いします。
https://peatix.com/event/3199045/view?k=a13750c9c795227a7a9509cbdbbbf0e82cafe561

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